E-03 基本版

ビル施設管理

びるしせつかんり / 別名: ビル施設管理者、ビル中央管理室監視員

完成したビルの電力・空調・給排水・防災などの設備を、日々運転・監視・点検して維持する仕事。工事をつくる側ではなく、できた建物を動かし続ける側の職業です。

  • 電力・空調・給排水設備の運転と監視、定期点検、利用者からの要望への対応が中心(job tag)
  • 24時間稼働するビルでは実働8時間の交替制勤務になる(job tag)
  • 設備のコンピュータ管理が進み、情報システムの知識も求められる(job tag)

00この職業の位置づけ

職種のまとまり
設備
現場での役割
運転・保守する 機械・設備を動かし、維持する
主に関わる部位
完成後の運用・維持管理、設備(電気・配管・空調)
資格の位置づけ
技能の証明 資格は技能の証明で、取ると仕事の幅が広がる
入職の入口
入職に特別な学歴や資格は求められないが、中途採用では資格の所持が求人の条件になることが多い(job tag)。

01どんな仕事か

オフィスビルや商業ビルなどにおいて、電力設備、空調設備、給排水設備などの運転・調整や管理を行う。

電力設備の運転と保守では、エレベーター、照明器具などに必要な電力が送られるよう、配電盤などのスイッチやボタンを操作する。また、電力計、電圧計、電流計などを常に監視し、正常に動作していることを確認する。

空調設備の管理では、冷暖房用機械を運転して、室内の温度、湿度、換気が一定に保たれるように操作する。また、給排水設備の管理では、飲料水用の水槽やポンプの運転、排水の処理にかかわる設備の管理を行う。

その他に、ビルを使用している人たちの苦情や要望を聞いて、空調機を調節したり、照明器具や電気設備の簡単な修理を行う。

また、1ヶ月に1回程度、空気や排水が汚れていないかをチェックし、年に数回は空調機などの定期点検も行う。これらの作業内容は全て報告書に記録し、効率のよい運転管理を行うための資料とする。

出典: job tag(解説系データ ver.7.01、解説の最終更新年度 2019)

02よく行う作業(実施率の高い順)

  1. 消防点検をする。86%
  2. 冷暖房用機械の運転を行い、室内の温度、湿度、換気が一定に保たれるように操作する。80%
  3. 衛生設備の修理と調整をする。80%
  4. 防犯設備の点検・管理を行う。80%
  5. 新しい部品や修理した部品を取り付ける。78%
  6. 飲料水用の水槽やポンプの運転、排水の処理に関わる設備を管理する。76%
  7. 非常設備や防災設備を設置し、点検・管理する。76%
  8. 空調やボイラーなどの建物全体にかかわる設備の制御装置を運転、監視する。73%

右の%は job tag の調査で『このタスクを行っている』と答えた人の割合(実施率)です。上位8件を表示。職場や担当により異なります。

03建物のどこに関わるか

ビル施設管理が関わる部位屋根・外装・仮設内装・仕上げ設備(電気・配管・空調)躯体基礎・地中敷地・土木・測量完成後の運用・維持管理RFFLGL

ビル施設管理が主に関わるのは、完成後の運用・維持管理、設備(電気・配管・空調)です。

建物の断面詳細図を模した図で、色の付いた層が主な担当部位です。他の職種との境目は工事の種類や会社により異なります。

04必要な資格・講習・法令上の位置づけ

技能の証明 job tag は、実務経験を積みながら建築物環境衛生管理技術者・ビル設備管理技能士・電気主任技術者・ボイラー技士などを取ると一人前として認められる、と記しています。設備ごとの法令上の選任要件は当サイトでは未整理

消防設備士(甲種・乙種) 国家資格(消防法)

実施
一般財団法人 消防試験研究センター(都道府県知事の免状)
受験・受検資格
  • 乙種: 受験資格の制限はなく、誰でも受験できる(センターのページ)
  • 甲種: 特類は甲種第1〜3類のいずれかと第4・5類を含む3種類以上の免状が必要。特類以外は、学歴(指定学科の大学卒など)・実務経験・他資格(電気工事士、電気主任技術者、管工事施工管理技士、配管技能士(1級・2級)など)のいずれかで証明。実務経験の年数はページに記載なし
できること・位置づけ
消防用設備等(消火器・火災報知設備・スプリンクラーなど)の工事・整備に関する資格。行える工事・整備の種類は甲種・乙種の免状の種類に応じて総務省令で定める(消防法 第17条の6)
業務独占の有無
免状の交付を受けていない者は、政令で定める消防用設備等の工事(設置に係るもの)又は整備を行ってはならない(消防法 第17条の5)
確認の程度
消防試験研究センター: 消防設備士の受験資格 公式ページで確認 消防法 公式ページで確認

ボイラー技士(二級・一級) 免許(労働安全衛生法に関係)

実施
公益財団法人 安全衛生技術試験協会
受験・受検資格
  • 二級: 受験資格は不要(本人確認証明書の添付は必要)
  • 一級: 二級免許の保持、ボイラーに関する学科の卒業等+1年以上の実地修習、エネルギー管理士(熱)の免状+1年以上の実地修習、海技士(機関1〜3級)、ボイラー・タービン主任技術者+伝熱面積25㎡以上のボイラーの経験、汽かん係員試験合格+同経験、の6区分のいずれか
できること・位置づけ
ボイラーの取扱いの資格。ビル設備管理では、設備に応じて取得すると一人前として認められると job tag が記す
業務独占の有無
ボイラー取扱いの就業制限の条文(施行令 第20条の該当号)は今回未取得
確認の程度
安全衛生技術試験協会: ボイラー技士 公式ページで確認 job tag 職業解説データ 公式ページで確認

電気主任技術者(第一種〜第三種) 国家資格(電気事業法)

実施
一般財団法人 電気技術者試験センター(試験と免状交付)
受験・受検資格
  • 試験合格者には、試験結果通知書に免状交付申請書が同封される。認定校卒業等による免状交付は産業保安監督部(支部)に問い合わせ(センターのページ)
  • 受験資格・免状に必要な実務経験の年数は、センターのページに記載がなく未確認
できること・位置づけ
事業用電気工作物の保安の監督に関する資格。ビルの受変電設備の管理で関わる(job tag)
業務独占の有無
電気事業法 第43条の主任技術者の選任の条文は今回未取得
確認の程度
電気技術者試験センター: 電気主任技術者 公式ページで確認 job tag 職業解説データ 公式ページで確認

消防設備士の受験資格と消防法の条文、ボイラー技士の受験資格、電気主任技術者の免状の取扱いは、試験団体のページと e-Gov の本文で確認した内容です。建築物環境衛生管理技術者とビル設備管理技能士の要件、ボイラー・電気主任技術者の法令上の選任要件は本文を取得できていないため載せていません。

05働く環境

ビル管理会社に雇用され、契約先のオフィスビル、雑居ビル、マンション、官公庁ビル、病院、工場、ホテル、学校、店舗などに出向いて仕事をする。

若年者から中高年齢者まで、様々な年齢層の人が働いている。

労働時間は、原則として8時間となっているが、交替制で1時間程度の早出や残業、休日出勤をする場合がある。ホテルなど、24時間動いているビルでは、実働8時間制の交替制勤務となっている。

ビルの機械設備は、技術革新に伴い、コンピュータによる管理が進んでいる。それに伴い、今後は、従来から必要とされた機械や電気についての知識・技術に加えて、情報システムに関する知識・技能を含めたより高度な専門性が求められる。

屋外での作業3.2
空調のない屋内での作業3.4
立ち作業2.6
他者とのかかわり4.1
保護・安全装備の着用2.6
厳密さ・正確さ3.4

job tag の調査回答の平均(1〜5。大きいほど頻度・程度が高い)。職業分類単位の値で、個々の職場の条件を示すものではありません。正規の職員・従業員の割合: 67%。

06キャリアの道筋

  1. 1設備の運転・巡回点検から経験を積む
  2. 2資格(ボイラー技士・電気主任技術者・ビル管理技術者など)を取得
  3. 3契約先の設備全体を任される立場へ

job tag の記述をもとにした一般的な例です。

07よくある質問

建設業と何が違いますか

建設業は建物をつくる・改修する仕事で、ビル施設管理は完成後の設備を運転・点検して維持する仕事です。この職業はビル管理会社に雇用され、契約先のビルに出向いて働く形が多いとされます(job tag)。