建設の資格と法令 ― 『資格が要る』は4種類ある
建設・設備の仕事で言われる『資格が必要』には、法律で作業そのものが制限されるもの、工事に置く技術者の資格として決まっているもの、機械ごとの免許・講習、そして技能の証明としての検定があります。効力の違いを分けて整理しました(確認日 2026-10-28)。
01資格の効力の4区分
| 区分 | 意味 | この区分の職業 |
|---|---|---|
| 業務独占 | 資格がなければ従事できない作業が法で決まっている | 測量士、電気工事士 |
| 配置要件 | 工事に置くべき技術者の資格が法で決まっている | 建築施工管理技術者、土木施工管理技術者 |
| 免許・講習 | 機械や作業ごとに免許・技能講習・特別教育が関わる | とび、建設機械オペレーター |
| 技能の証明 | 資格は技能の証明で、取ると仕事の幅が広がる | 配管工、ビル施設管理、鉄筋工、大工 |
次の職業は、法令上の位置づけを当サイトでまだ整理していません(job tag の関連資格と、資格の逆引きで確認できたものだけを表示): 建築設計技術者、土木設計技術者、送電線工事、保温工事、型枠大工、建設・土木作業員、サッシ取付、左官、内装工、防水工、建築塗装工、建築板金、解体工、クレーン運転士
02施工管理技術検定(建築・土木・管工事ほか)
建設業法に基づく国家試験で、第一次検定と第二次検定からなります。令和6年度から受検資格が見直され、1級・2級とも第一次検定は年齢だけで受けられます(受検年度末時点の年齢)。
| 第一次検定 | 第二次検定(新受検資格) | 主な立場(国交省の整理・要確認) | |
|---|---|---|---|
| 2級 | 17歳以上 | 2級第一次検定の合格後に実務経験3年以上 / 1級第一次検定の合格後に実務経験1年以上 / 一級建築士試験の合格後に実務経験1年以上(建築) | 主任技術者 |
| 1級 | 19歳以上 | 1級第一次検定の合格後に、実務経験5年以上、または特定実務経験1年以上を含む3年以上、または監理技術者補佐としての実務経験1年以上(ほか2級第二次合格者・一級建築士合格者の別条件) | 監理技術者 |
- 第一次検定の合格で『技士補』、第二次検定の合格で『技士』を称せます(国土交通省)。
- 令和10年度までは、旧受検資格(学歴・指定学科+実務年数)による第二次検定の受検も認められる経過措置があります。
- 上の表は建築で公式ページ(建設業振興基金)の本文を確認した値です。管工事・土木の1級は、全国建設研修センターの受検の手引(令和8年度・新受検資格)の本文で同じ年数を確認しました(区分2は1級第一次検定の合格も必要)。2級の管工事・土木の年数は未確認です。
- 「主な立場」の対応(1級=監理技術者・2級=主任技術者)は国交省の一覧の色分けによる整理で、本文から読み取れないため要確認です。
出典: 1級建築施工管理技術検定(受検案内) 公式ページで確認 2級建築施工管理技術検定(受検案内) 公式ページで確認 1級管工事施工管理技術検定(受検案内) 公式ページで確認 1級管工事 受検の手引(第二次検定・新受検資格) 公式ページで確認 1級土木 受検の手引(第二次検定・新受検資格) 公式ページで確認 国交省: 技術検定規則の改正 公式ページで確認 国交省: 技術検定制度・技術者制度 公式ページで確認 国交省: 監理技術者・主任技術者となり得る国家資格等 公式ページで確認
03建設業法の金額基準(主任技術者・監理技術者)
| 基準 | 金額 | 条文 |
|---|---|---|
| 専任の主任技術者または監理技術者が必要な工事 | 請負代金 4,500万円以上(建築一式工事は 9,000万円以上) | 建設業法施行令 第27条第1項 |
| 特定建設業の許可が必要になる、下請契約の総額 | 5,000万円以上(建築工事業は 8,000万円以上) | 建設業法施行令 第2条(建設業法 第3条第1項第2号) |
2026-10-28 に e-Gov 法令検索の API で条文を確認した値です。令和7年2月の改正で引き上げられたとする二次資料と一致します。job tag の職業解説に載っている旧い金額(4,000万円・6,000万円)とは異なるため、当サイトでは条文の値を表示します。監理技術者・主任技術者の設置義務(建設業法 第26条第1項〜第3項)は、同じく e-Gov の条文本文で確認しています(主任技術者は全ての工事現場、特定建設業者が元請で下請契約が政令の金額以上なら監理技術者、重要な工事は専任)。
出典: 建設業法施行令 公式ページで確認 建設業法 公式ページで確認 国交省: 監理技術者・主任技術者となり得る国家資格等 公式ページで確認
04電気工事士(業務独占)
| 資格 | 従事できる電気工事の作業 | 試験・免状 |
|---|---|---|
| 第二種電気工事士 | 一般用電気工作物等(一般用電気工作物・小規模事業用電気工作物)に係る電気工事 | 受験資格の制限はないとされる / 免状は居住地の都道府県知事が交付 |
| 第一種電気工事士 | 上に加えて、自家用電気工作物に係る電気工事(原則) | 試験合格+実務経験3年以上で免状が交付される |
電気工事士法 第3条により、これらの作業は有資格者でなければ従事できません(業務独占)。ただし軽微な工事は同法の『電気工事』から除かれます。特殊な自家用電気工事(特種電気工事資格者)・簡易な自家用電気工事(認定電気工事従事者)には別の認定があります。
出典: 電気工事士法 公式ページで確認 電気技術者試験センター: 免状交付 公式ページで確認 電気技術者試験センター 公式ページで確認
05技能検定・給水装置工事主任技術者(技能の証明)
配管技能士などの技能検定は国家検定で、技能を証明する制度です(学科+実技)。受検資格は実務経験が必要で、年数は等級・学歴・職業訓練歴で変わります。配管の区分ごとの年数、給水装置工事主任技術者の最新要項は、公式ページの本文を取得できていないため要確認です。
出典: 厚労省: 技能検定の受検資格 要確認 技能検定 配管(JAVADA) 要確認 給水装置工事主任技術者 要確認
06このサイトでまだ整理していないもの
- 労働安全衛生法の作業主任者・技能講習・特別教育・就業制限(とび・建設機械・クレーンなど)の条文ごとの整理
- 電気主任技術者・ボイラー技士・建築物環境衛生管理技術者などビル設備の選任要件
- 建築士の受験資格、測量士・測量士補の学歴と実務経験の詳細、建設機械施工技術検定
これらは job tag の関連資格として各職業ページに名称を載せていますが、要件は未確認です。確認でき次第、確認日つきで追加します。