S-03 詳細版

測量士

そくりょうし

工事の前と最中に、土地の位置・形状・高さを正確に測り、工事の基準となる点や線を現地に示す仕事。ここがずれると後の工程すべてがずれるため、基準をつくる役割を担います。

  • 着工前に国家三角点などから現場近くに基準点を設け、工事中は墨出し(型枠を組む位置の印)や丁張り(掘削の中心線・高さの基準)を行う(job tag)
  • 基本測量・公共測量の技術者には、測量法により測量士または測量士補の資格が必要(job tag)
  • ドローンや人工衛星を使う機器、GIS・CAD の利用が広がっている(job tag)

00この職業の位置づけ

職種のまとまり
施工管理・測量
現場での役割
管理する 現場全体の計画・調整・確認
主に関わる部位
敷地・土木・測量、基礎・地中、躯体
資格の位置づけ
業務独占 資格がなければ従事できない作業が法で決まっている
入職の入口
測量の知識と実技が必要で、現場の経験が必須とされる(job tag)。学歴・実務経験に応じて、申請で資格を得る場合と試験を受ける場合がある。

01どんな仕事か

土木・建築工事にあたり、土地の位置・形状を正確に測量する。

測量計画を立て、現地に出向いて、専門の機器や技術を使って地形や位置を測量、結果を計算して、工事に必要な基準点を正確に設定する。地図をつくるための測量を行うことも仕事の一つである。人工衛星やコンピュータ、ドローンを利用した高精度の測量器械も使われており、迅速・正確に測量・計算できるようになっている。デジタル地図や地理情報システム(GIS)の利用・活用によるデジタルマッピングも行われている。

工事の着工の前には、国家三角点という日本全国にある基準点から測量器械を使って現場近くに測点を導き出し、工事の基準点を設定する。また、電子基準点から現場近くに測点を設置し、正確な位置を設定する。工事が本格化すると、構造物の細部の位置を決めて型枠を組めるように印を付ける「墨出し」や、掘削作業の仕上がり中心線や高さの基準などを示す「丁張り」など、細部測量を行う。

測量ミスや計算ミスは許されないため、慎重に何度もチェックする必要がある。

出典: job tag(解説系データ ver.7.01、解説の最終更新年度 2019)

02よく行う作業(実施率の高い順)

  1. 測量するための適切かつ経済的な方法と手順を定める。95%
  2. 測量データを解釈して地形・地勢の位置や形状、標高を定める。95%
  3. 測量業務の進行状況を管理する。95%
  4. 測量の実作業に関する覚書や記録、スケッチなどを作製する。93%
  5. 測量データに基づき、地図の作成や作成指導をする。93%
  6. 道路や河川などの公共物管理者と打ち合わせを行い、道路台帳などの関連書類を調査する。91%
  7. 基線、標高、その他の地理測定を行うための現地調査を計画する。88%
  8. 国家三角点から測量器械を使って工事現場の近くに測点を導き出し、工事の基準点を設定する。88%

右の%は job tag の調査で『このタスクを行っている』と答えた人の割合(実施率)です。上位8件を表示。職場や担当により異なります。

03建物のどこに関わるか

測量士が関わる部位屋根・外装・仮設内装・仕上げ設備(電気・配管・空調)躯体基礎・地中敷地・土木・測量完成後の運用・維持管理RFFLGL

測量士が主に関わるのは、敷地・土木・測量、基礎・地中、躯体です。

建物の断面詳細図を模した図で、色の付いた層が主な担当部位です。他の職種との境目は工事の種類や会社により異なります。

04工事の流れの中で、何をするか

測量は、工事の最初から最後まで現場の位置と高さの『基準』を出す仕事です。計画を立て、基準点を設定し、構造物の位置を示し、結果を記録して報告します(job tag)。

  1. 1

    計画・資料調査 敷地・土木・測量

    現地調査を計画し、測量の方法と手順を決める。道路や河川の管理者と打ち合わせ、道路台帳などの書類を調べる

    やりとりする相手公共物の管理者・建設技術担当者

  2. 2

    基準点の設定 敷地・土木・測量

    国家三角点や電子基準点から測量器械で現場近くに測点を導き、工事の基準点を設定する(タスク実施率88.1%)

    やりとりする相手施工管理技術者

  3. 3

    細部測量(墨出し・丁張り) 基礎・地中

    構造物の細部の位置を決めて型枠を組めるよう印を付ける『墨出し』、掘削の仕上がり中心線や高さの基準を示す『丁張り』を行う

    やりとりする相手鳶・大工・重機オペレーター

  4. 4

    記録・計算・地図作成 完成後の運用・維持管理

    測量の覚書・記録・スケッチを作り、データを解釈して地形の位置・形状・標高を定め、地図の作成や指導をする

  5. 5

    報告・承諾 完成後の運用・維持管理

    測量結果を依頼者に報告・助言し、土地所有者等から承諾印を受ける(タスク実施率83.3%)

    やりとりする相手土地所有者・建設技術担当者

工程の区切りは、job tag の仕事内容とタスクをもとに当サイトが整理したもので、現場・工法・会社により異なります。

05扱う設備・工具・書類

測量の機材・情報技術

  • 測量器械(人工衛星やコンピュータを利用した高精度のもの)
  • ドローン
  • 地理情報システム(GIS)
  • 設計用ソフト(CAD)、パソコン

job tag が『よく使う道具、機材、情報技術等』に挙げているものです。

06必要になる技能・知識

数学的素養
job tag の技能の調査回答では、数学的素養が最も高い(平均4.0)。計算ミスは許されず、何度もチェックする(job tag)
打ち合わせ・調整
公共物の管理者や土地所有者、建設技術者との打ち合わせ・報告が仕事の一部(job tag のタスク)
設計・建築の知識
知識では『設計』『建築・建設』の評定が比較的高い(job tag の調査回答)

数値で見ると、job tag の調査回答の平均が高い技能は 数学的素養(4.0)、傾聴力(3.9)、他者との調整(3.8)、知識は 設計(3.0)、事務処理(2.5)、数学(2.4)(技能は0〜7、知識は0〜5の評定の平均)。

07必要な資格・受験資格・法令上の位置づけ

業務独占 基本測量・公共測量に従事する技術者は、測量法により測量士または測量士補の資格が必要(job tag の解説)

測量士・測量士補 国家資格(測量法)

実施
国土地理院(試験の実施と登録)
受験・受検資格
  • 測量士試験・測量士補試験: 年齢、性別、学歴、実務経験及び国籍に関係なく受験できる(令和8年の受験案内)
  • 測量士(測量法 第50条): 認定の大学で測量に関する科目を修めて卒業し実務1年以上/認定の短大・高専等で測量に関する科目を修めて卒業し実務3年以上/国土交通大臣登録の養成施設で1年以上修め実務2年以上/測量士補で登録の養成施設の高度課程を修めた者/測量士試験の合格者/同等以上と国土交通大臣が認定した者
  • 測量士補(同 第51条): 大学で測量に関する科目を修めて卒業/短大・高専等で同/登録養成施設で1年以上修める/測量士補試験の合格者/同等以上と認定した者
  • いずれも国土地理院の名簿への登録が必要(job tag・試験案内)
できること・位置づけ
基本測量・公共測量の技術者として従事するための資格。測量士は測量の計画を作り実施し、測量士補はその計画に従って作業する(job tag の解説)
業務独占の有無
基本測量・公共測量の技術者には資格が必要(job tag の解説。測量法の該当条文は今回未取得)。民間工事の現場の測量そのものは資格要件が別になる場合があり、個別に確認が必要
確認の程度
国土地理院: 測量士・測量士補試験(令和8年) 公式ページで確認 測量法 公式ページで確認 job tag 職業解説データ 公式ページで確認

この資格に至るルートを見る

土地家屋調査士 国家資格(不動産の表示登記)

実施
job tag の関連資格(当サイトでは要件を未整理)
受験・受検資格
  • 関連資格として job tag が挙げている。受験資格・業務範囲は法務省・日本土地家屋調査士会連合会の案内で確認(未取得)
確認の程度
job tag 職業解説データ 公式ページで確認

測量士・測量士補になる道(測量法 第50条・第51条)

測量士試験合格のほか、学歴(大学1年・短大高専3年の実務)や登録養成施設+実務2年など複数の道がある
測量法 第50条(2026-10-29 に e-Gov で確認)
測量士補試験合格のほか、測量に関する科目を修めた大学・短大等の卒業、登録養成施設で1年以上、など
測量法 第51条(同上)

条文の細部(認定の対象となる学校・科目、実務経験として認められる範囲)は国土地理院の案内で確認してください。

測量士・測量士補の資格要件は測量法 第50条・第51条の本文と、国土地理院の令和8年の受験案内で確認した内容です。基本測量・公共測量に資格が必要とする部分は job tag の解説に基づき、条文は未確認です。申込前に国土地理院の最新の案内を確認してください。

08働く環境

  • 測量事務所、建設会社、不動産会社、官公庁など広い範囲で働く。登録されている測量事務業者は11,389業者(job tag)
  • 測量作業は数十日から数カ月にわたることがあり、その間あまり休みを取れないこともある。建設現場の細部測量は昼休みや休日など建設作業が行われていない時間に行うことが多く、労働時間はやや変則的(job tag)
  • ドローンの登場で航空測量が簡便・安価になり、低空で撮影するため精度の高い測量ができる(job tag)
  • 測量士25,115人、測量士補16,093人が登録(2023年11月時点。国土地理院の実態調査・job tag)
屋外での作業3.8
空調のない屋内での作業2.5
立ち作業3.1
他者とのかかわり3.9
保護・安全装備の着用2.9
厳密さ・正確さ4.0

job tag の調査回答の平均(1〜5。大きいほど頻度・程度が高い)。職業分類単位の値で、個々の職場の条件を示すものではありません。正規の職員・従業員の割合: 84%。

09キャリアの道筋

  1. 基礎を学ぶ文部科学大臣認定の大学・短大・高専、国土交通大臣登録の専門学校等で測量に関する科目を修める(job tag)。
  2. 現場で経験を積む測量技術は現場の経験が必須(job tag)。測量事務所・建設会社・不動産会社などで働きながら資格を目指す。
  3. 測量士補・測量士の資格試験に合格するか、学歴と実務に応じた道で資格を得て、国土地理院に登録する。測量士補を取ってから測量士を取る人もいる(job tag)。
  4. 独立・関連資格経験を積んで測量事務所を開く人や、関連する土地家屋調査士の資格を取る人もいる(job tag)。

道筋は job tag の『就くには』『労働条件の特徴』の記述と資格制度をもとにした一般的な例で、個人の進み方を保証するものではありません。

10よくある質問

測量士と測量士補はどう違いますか

job tag の解説では、測量士は測量計画を作成して実施し、測量士補はその計画に従って測量に従事する、という関係で整理されています(詳細は国土地理院の案内で確認してください)。

測量だけで独立できますか

job tag には、測量事務所や建設会社などで経験を積んだ後、独立して測量事務所を開設するケースがあると記されています。独立の可否や収入は事業の状況によるため、このサイトでは数値を示しません。