00この職業の位置づけ
- 職種のまとまり
- 施工管理・測量
- 現場での役割
- 管理する 現場全体の計画・調整・確認
- 主に関わる部位
- 屋根・外装・仮設、内装・仕上げ、設備(電気・配管・空調)、躯体、基礎・地中、敷地・土木・測量
- 資格の位置づけ
- 配置要件 工事に置くべき技術者の資格が法で決まっている
- 入職の入口
- 入職に特別な学歴や資格は求められない(job tag)。建築系の学科を修めて入職する人が一般的で、働きながら2級→1級の施工管理技術検定を目指す道筋がよく使われる。
01どんな仕事か
住宅・学校・オフィスビル・工場などの建築現場において、施工が適正かつ計画通りに行われるよう建築工事の監督・指導を行う。
施工図を基に、使用する機材や必要な作業員の人数、工期などを検討し、詳細な施工計画を立てる。建築工事には様々な職種の業者が下請に入るため、これらの選定、工事費や工期の調整を行う。
工事開始後は進捗状況を常に把握し、工事の品質を確認しながら必要な指示を行う。また、施工に当たっては、事故や労働災害がないように配慮が必要であるため、工事を行う施設や作業方法を事前に検討し、作業員の教育を行うなど適切な安全管理を行う。工事中は騒音・振動など近隣に悪い影響を与えないように十分に留意し、必要な場合は調整を行うこともある。工事終了後は所定の手続を行い、建築物を発注者に引き渡す。
建築工事の分野の多様化、分業化が進んでいるため、建築施工管理技術者は現場での監督・指導を行い、調査・計画・設計は建築設計技術者が行うのが一般的である。
また、建築物の耐震診断や改修、文化財の保護等の分野でおいても建築施工管理技術者の活躍の場が広がっている。
出典: job tag(解説系データ ver.7.01、解説の最終更新年度 2019)
02よく行う作業(実施率の高い順)
- 近隣住民からのクレームに対応する。100%
- 作業上の諸問題を解決したり、仕事の割り当てを決めるために作業員とコミュニケーションをとる。97%
- 進捗状況を常に把握し、工事の品質を確認しながら必要な指示をする。97%
- 工事内容や工程の変更に伴い、見積書の提出や下請け業者との折衝を行う。97%
- 設計の意図や不明点を確認するため、設計者と打ち合わせする。97%
- 工事に関する記録を取り、報告書を作成する。97%
- 下請け業者の選定や工事費、工期の調整をする。95%
- 工事費用の積算などを通して、原価管理を行う。95%
右の%は job tag の調査で『このタスクを行っている』と答えた人の割合(実施率)です。上位8件を表示。職場や担当により異なります。
03建物のどこに関わるか
建築施工管理技術者が主に関わるのは、屋根・外装・仮設、内装・仕上げ、設備(電気・配管・空調)、躯体、基礎・地中、敷地・土木・測量です。
建物の断面詳細図を模した図で、色の付いた層が主な担当部位です。他の職種との境目は工事の種類や会社により異なります。
04工事の流れの中で、何をするか
建築工事は、基礎→躯体→設備・仕上げ→検査・引渡しの順に進みます。施工管理技術者はどの工程でも、自分では施工せずに、協力会社への指示、品質の確認、安全の確保、費用と工期の調整を行います。
-
1
施工準備 敷地・土木・測量
設計図書と施工図をもとに、機材・作業員の人数・工期を検討して施工計画を立て、下請業者を選んで工事費と工期を調整する
やりとりする相手設計者・協力会社・発注者
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2
仮設・基礎 基礎・地中
測量による基準の確認、足場・仮囲いなどの仮設、掘削・基礎の工程と品質を管理する。近隣への騒音・振動に配慮し、必要なら調整する
やりとりする相手測量士・とび・鉄筋工・建設機械オペレーター
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3
躯体 躯体
柱・梁・床・壁といった建物の骨組みを、図面どおりの精度と強度で作る工程を管理する。多職種が同じ場所で作業するため、日々の作業の割り当てと順序の調整が中心になる
やりとりする相手鉄筋工・型枠大工・大工・とび
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4
設備・仕上げ 設備(電気・配管・空調)
電気・配管・空調・内装・外装の各職種を、互いに干渉しないよう日程と作業範囲で調整する。設計の意図や不明点は設計者と打ち合わせて確認する
やりとりする相手電気工事士・配管工・内装工・設備会社
-
5
検査・引渡し 屋根・外装・仮設
工事の記録と報告書をまとめ、所定の手続を済ませて建築物を発注者に引き渡す。官公庁や設計事務所への提出書類(管理項目書類など)もここで整う
やりとりする相手発注者・官公庁・設計事務所
管理の4つの柱
- 工程
- いつ何を終えるか。作業の順序と日程を調整し、進捗を日々確認する
- 品質
- 図面・仕様どおりにできているか。工事の節目で確認し、必要な指示を出す
- 原価
- かかった費用と見込みの管理。工事内容や工程の変更に伴う見積りや下請との折衝も含む
- 安全
- 事故・労働災害を防ぐ。施設や作業方法を事前に検討し、作業員の教育を行う
工程・品質・原価・安全は、job tag の解説とタスク(進捗把握・品質確認・原価管理・安全管理)に基づく整理です。
工程の区切りは、job tag の仕事内容とタスクをもとに当サイトが整理したもので、現場・工法・会社により異なります。
05扱う設備・工具・書類
計画・記録
- 施工図・設計図書
- 施工計画書・工程表
- 工事の記録・報告書
- 見積書・原価の管理表
現場で使う道具
- 保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
情報技術
- CAD・図面の閲覧、工程管理や写真管理のソフト・アプリ(会社や現場により異なる)
当サイトの整理(会社・現場により異なる)
job tag が『よく使う道具』として挙げるのは保護具のみです。計測機器や管理ソフトは現場・会社で大きく異なるため、断定していません。
06必要になる技能・知識
- 調整・コミュニケーション
- 作業員とのコミュニケーションで作業上の問題を解決する(タスク実施率97.4%)。近隣住民のクレーム対応(100%)、設計者との打合せ(97.4%)など、人との調整が仕事の大半
- 法令の知識
- 建設業法のほか、道路交通・公害防止・危険物関係の法令、労働基準法・労働安全衛生法の知識が必要(job tag)
- 段取りと冷静さ
- 予想外の施工上の問題・事故・災害が起きても、順序立てて冷静に対処し、先を読む力が求められる(job tag)
数値で見ると、job tag の調査回答の平均が高い技能は 傾聴力(4.2)、指導(4.0)、他者との調整(4.0)、知識は 建築・建設(3.7)、設計(3.2)、事務処理(2.8)(技能は0〜7、知識は0〜5の評定の平均)。
07必要な資格・受験資格・法令上の位置づけ
配置要件 一定規模以上の工事には、法令で定める資格・実務経験を持つ主任技術者または監理技術者を置く必要がある(建設業法)。資格がなくても入職はできるが、技術者として現場に配置されるには資格が関わる
2級建築施工管理技士 国家試験(施工管理技術検定・建設業法に基づく)
- 実施
- 一般財団法人 建設業振興基金(試験研修本部)が実施
- 受験・受検資格
- 第一次検定: 試験実施年度に満17歳以上(学歴・実務経験は問わない)
- 第二次検定: 2級第一次検定の合格後に実務経験3年以上、または1級第一次検定の合格後に実務経験1年以上、または一級建築士試験の合格後に実務経験1年以上
- できること・位置づけ
- 主任技術者になり得る国家資格(国交省の整理)。第一次検定の合格で『2級建築施工管理技士補』、第二次検定の合格で『技士』を称せる
- 業務独占の有無
- 業務独占の資格ではない。工事に置く技術者の資格要件として使われる
- 手数料(参考)
- 令和8年度: 第一次6,150円・第二次6,150円・同時12,300円(非課税)
- 確認の程度
- 2級建築施工管理技術検定(受検案内) 公式ページで確認 国交省: 技術検定制度・技術者制度 公式ページで確認
1級建築施工管理技士 国家試験(施工管理技術検定・建設業法に基づく)
- 実施
- 一般財団法人 建設業振興基金(試験研修本部)が実施
- 受験・受検資格
- 第一次検定: 試験実施年度に満19歳以上
- 第二次検定(新受検資格): 1級第一次検定の合格後に、実務経験5年以上、または特定実務経験1年以上を含む実務経験3年以上、または監理技術者補佐としての実務経験1年以上
- 2級第二次検定の合格者・一級建築士試験の合格者は、合格後に実務経験5年以上、または特定実務経験1年以上を含む3年以上
- できること・位置づけ
- 監理技術者になり得る国家資格(国交省の整理)。第一次検定の合格で『1級建築施工管理技士補』、第二次検定の合格で『技士』を称せる
- 業務独占の有無
- 業務独占の資格ではない。大規模工事の技術者の資格要件として使われる
- 手数料(参考)
- 令和8年度: 第一次12,300円・第二次12,300円(非課税)
- 確認の程度
- 1級建築施工管理技術検定(受検案内) 公式ページで確認 国交省: 技術検定制度・技術者制度 公式ページで確認 国交省: 技術検定規則の改正 公式ページで確認
金額の基準(建設業法施行令・2026-10-28 に e-Gov の条文で確認)
| 専任の主任技術者・監理技術者が必要な工事 | 請負代金4,500万円以上(建築一式工事は9,000万円以上) 建設業法施行令 第27条第1項 |
|---|---|
| 特定建設業の許可が必要になる下請契約の総額 | 5,000万円以上(建築工事業は8,000万円以上) 建設業法施行令 第2条(建設業法 第3条第1項第2号) |
金額は改正されます(令和7年2月施行で引き上げられたとする二次資料があり、条文の値と一致)。実務では最新の条文を確認してください。主任技術者・監理技術者の設置義務は建設業法 第26条の本文で確認済みです。
このページの『資格』『受検資格』は2026-10-28に公式ページで確認した内容です。試験制度は年度ごとに変わり、令和10年度までは旧受検資格(学歴・指定学科+実務年数)でも第二次検定を受けられます。申込前に必ず受検の手引で確認してください。
08働く環境
- 勤務先は建設会社、ハウスメーカー、建築士事務所のほか、国・自治体、民間企業の建築・施設管理部門など多方面(job tag)
- 屋外作業が多く、一定の体力が必要。数十人から数百人の作業員を指揮・監督する(job tag)
- 従来は男性が多い職業というイメージが強かったが、女性技術者も見られる。機械化・自動化で作業環境は改善・整備されている(job tag)
job tag の調査回答の平均(1〜5。大きいほど頻度・程度が高い)。職業分類単位の値で、個々の職場の条件を示すものではありません。正規の職員・従業員の割合: 72%。
09キャリアの道筋
- 入職建築系の高校・専門学校・大学で構造力学や建築材料を学んで入職するのが一般的(job tag)。入職時に資格は必須ではない。
- 現場を覚える施工図の読み方、検査の立会い、安全書類、協力会社との段取りなど、現場の基本を実務で身につける。
- 2級→1級第一次検定→実務経験→第二次検定の順で2級を取得し、さらに1級を目指す。受検資格は『資格ルート図』で自分の状況から確認できる。
- 大規模な現場へ資格を取得している、または一定の実務経験を積むと、大規模な現場に配置が義務づけられている監理技術者になれる(job tag)。
道筋は job tag の『就くには』『労働条件の特徴』の記述と資格制度をもとにした一般的な例で、個人の進み方を保証するものではありません。
10よくある質問
施工管理に未経験・無資格でもなれますか
job tag では入職に特別な学歴や資格は必要とされないとされています。ただし現場の技術者として配置される条件には資格・実務経験が関わるため、働きながら施工管理技術検定を目指す人が多い職業です。
1級と2級は何が違いますか
国土交通省の整理では、1級の合格者は監理技術者、2級の合格者は主任技術者になれる資格とされます。下請契約の総額が一定額以上になる工事で監理技術者が必要になります。金額は法令改正で変わるため、このサイトの『資格ルート図』で確認日付きの値を見てください。