00この職業の位置づけ
- 職種のまとまり
- 設備
- 現場での役割
- つくる 手を動かして施工する
- 主に関わる部位
- 設備(電気・配管・空調)、内装・仕上げ
- 資格の位置づけ
- 業務独占 資格がなければ従事できない作業が法で決まっている
- 入職の入口
- 電気工事士の資格が必要。職業訓練校・専門学校・電気工事業組合の養成施設で課程を修めて資格を取ってから入職するか、入社後に企業内の養成施設で訓練を受けて取得する(job tag)。
01どんな仕事か
電力会社から送電された電気を変圧する変電設備の据え付けをはじめ、建物の各階へ電気を送る幹線の敷設、分電盤の据え付け、配線、コンセントや照明器具の取り付けなど電気を利用するための設備等の工事を行う。
情報の伝達設備である放送通信施設、インターホン、防災防犯などの設備、電話や通信の回線を納める配管、避雷針の工事なども行う。
基本的な作業は、機器の据え付け、器具の所定個所への取り付け、それらの機器や器具への配線などで、建設作業と並行して行われることが多い。作業は通常、2~4人のグループで行われ、それぞれのグループは職長が中心となり、その指揮下で作業が進められる。大きな建設現場では、電気工事の責任者がいて、グループごとの1日の作業内容が決められ、指示が与えられる。指示は通常図面によって示されるので、電気工事士はその図面を読解し、それに基づいて材料、工具、作業手順などを決めて作業を進める。全部の作業が終了すると、確認のために必ず試験を行って、試験成績書を作成する。
電気工事は様々な法令によって基準が定められており、法令を守って安全確実な仕事をすることが必要である。
出典: job tag(解説系データ ver.7.01、解説の最終更新年度 2019)
02よく行う作業(実施率の高い順)
- 仕様書に従って機器の据え付けや器具の取り付けをする。89%
- 仕様書に従って電気の配線をする。89%
- 電気の配線、機器、器具の電気システムと回路の連続性を調べるため、試験装置を操作する。87%
- 電気の配線、設備、備品の取り付け、保守、修理のために作業員を指揮、訓練する。83%
- 試験の結果をもとに試験成績書を作成する。81%
- 危険、欠陥、調整や修理の必要性を発見するために、電気部品や配電設備を点検する。81%
- 見積書を作成する。79%
- 現地の状況に合わせて機器や部品の設置や電気の配線のための仕様書を作成する。77%
右の%は job tag の調査で『このタスクを行っている』と答えた人の割合(実施率)です。上位8件を表示。職場や担当により異なります。
03建物のどこに関わるか
電気工事士が主に関わるのは、設備(電気・配管・空調)、内装・仕上げです。
建物の断面詳細図を模した図で、色の付いた層が主な担当部位です。他の職種との境目は工事の種類や会社により異なります。
04工事の流れの中で、何をするか
電気工事は建築工事と並行して進みます。建物の躯体ができる段階で配管・配線の下準備を行い、仕上げの段階で器具を取り付け、最後に必ず通電前の試験をして記録を残します。
-
1
見積り・施工図 敷地・土木・測量
現場の状況に合わせて仕様書や施工図を作成し、見積書をまとめる
やりとりする相手設計者・施工管理技術者
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2
配管・幹線 躯体
建物の各階へ電気を送る幹線の敷設や、電話・インターホンの配線を納める配管を、建築工事と並行して進める
やりとりする相手大工・鉄筋工・配管工
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3
機器の据付 設備(電気・配管・空調)
変電設備、分電盤などの機器を据え付け、コンセントや照明器具を所定の位置に取り付ける
やりとりする相手内装工・設備会社
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4
配線 設備(電気・配管・空調)
仕様書に従って電気の配線を行う。作業は通常2〜4人のグループで、職長の指揮のもとで進む
やりとりする相手同じグループの電工・職長
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5
試験・点検 内装・仕上げ
配線・機器・回路の連続性などを試験装置で調べ、欠陥や調整の必要を発見し、試験成績書を作成する。作業が全部終わったら確認のため必ず試験を行う
やりとりする相手施工管理技術者・発注者
-
6
完成図・引渡し 完成後の運用・維持管理
工事の完成図を作成して提出し、引渡し後の保守・点検につなげる
やりとりする相手発注者・ビル施設管理
工程の区切りは、job tag の仕事内容とタスクをもとに当サイトが整理したもので、現場・工法・会社により異なります。
05扱う設備・工具・書類
設備・材料
- 分電盤
- 配線(電線・ケーブル)
工具・保護具
- 手動工具(かなづち、のこぎり等)
- 電動工具(ドリル等)
- 保護具(ヘルメット、ゴーグル、グローブ、安全靴等)
検査
- 試験装置(配線・機器・回路の連続性を調べる)
job tag が『よく使う道具』に挙げるのは分電盤・配線・工具・保護具です。試験装置はタスク(連続性を調べるための試験装置の操作)から。
06必要になる技能・知識
- 図面の読解
- 指示は通常図面で示される。図面を読み、材料・工具・作業手順を決めて作業を進める(job tag)
- 慎重さと責任感
- 電気設備を扱うため、慎重さ・責任感が求められる。脚立やはしごの上など高く狭い場所での作業が多く、平衡感覚と手先の器用さが向く(job tag)
- 法令を守る
- 電気工事は様々な法令で基準が定められており、法令を守って安全確実に施工する必要がある(job tag)
数値で見ると、job tag の調査回答の平均が高い技能は 修理(4.2)、故障等の原因特定(4.1)、設置と設定(4.1)、知識は 建築・建設(2.7)、機械(2.1)、通信技術(2.1)(技能は0〜7、知識は0〜5の評定の平均)。
07必要な資格・受験資格・法令上の位置づけ
業務独占 自家用電気工作物の電気工事の作業は原則として第一種電気工事士、一般用電気工作物等の電気工事の作業は第一種または第二種電気工事士でなければ従事できない(電気工事士法 第3条)。2026-10-28 に e-Gov の条文で確認
第二種電気工事士 国家資格(電気工事士法)
- 実施
- 試験は一般財団法人 電気技術者試験センター、免状は居住地の都道府県知事が交付
- 受験・受検資格
- 受験資格の制限はないとされる(試験団体のページ本文には記載がなく、都道府県・資格学校の案内で確認。二次情報)
- 試験は学科試験(CBT方式・筆記方式)と技能試験。令和8年度下期の例: 学科(筆記)10月25日、技能12月12日または13日
- できること・位置づけ
- 一般用電気工作物等(一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物)に係る電気工事の作業に従事できる
- 業務独占の有無
- 業務独占: これらの電気工事の作業は、第一種または第二種電気工事士でなければ従事できない(電気工事士法 第3条第2項)
- 確認の程度
- 電気技術者試験センター 公式ページで確認 電気工事士法 公式ページで確認
第一種電気工事士 国家資格(電気工事士法)
- 実施
- 試験は一般財団法人 電気技術者試験センター、免状は居住地の都道府県知事が交付
- 受験・受検資格
- 試験の受験資格の制限はないとされる(同上)。令和8年度下期の例: 学科(筆記)10月4日、技能11月21日
- 免状の交付には、試験合格に加えて実務経験3年以上が必要。試験合格前の実務経験も対象。軽微な工事・特殊電気工事・5万V以上の架空電線路・保安通信設備の工事は実務経験に含まれない
- 別ルート: 電気主任技術者免状を取得後5年以上、電気工作物の工事・維持・運用に関する実務に従事した方
- できること・位置づけ
- 第二種の範囲に加え、自家用電気工作物に係る電気工事の作業に従事できる
- 業務独占の有無
- 業務独占: 自家用電気工作物に係る電気工事の作業は、原則として第一種電気工事士でなければ従事できない(電気工事士法 第3条第1項)
- 確認の程度
- 電気技術者試験センター: 免状交付 公式ページで確認 電気技術者試験センター 公式ページで確認 電気工事士法 公式ページで確認
特種電気工事資格者・認定電気工事従事者 認定(電気工事士法)
- 実施
- 産業保安監督部への申請(経済産業省)
- 受験・受検資格
- 詳細な要件は経済産業省・産業保安監督部の案内で確認(当サイトでは未整理)
- できること・位置づけ
- 経済産業省令で定める特殊な自家用電気工事は特種電気工事資格者、簡易な自家用電気工事は認定電気工事従事者が従事できる(第3条第3項・第4項)
- 業務独占の有無
- 第一種電気工事士と別に、これらの工事の作業について認定証が必要となる定めがある
- 確認の程度
- 電気工事士法 公式ページで確認
電気工事士法の条文は e-Gov の法令 API で 2026-10-28 に確認しました(要約ベース)。第二種・第一種の試験の受験資格が『制限なし』であることは、試験団体のページ本文ではなく二次情報での確認です。申込前に電気技術者試験センターの最新の案内で確認してください。
08働く環境
- 建設現場で行うことが多く、担当現場に応じて作業場所が移動する。建設作業の工程が進むにつれて作業内容も変わる(job tag)
- 大部分の企業が実働8時間・週休二日制だが、建築工事の進行によっては土日が休みとは限らない(job tag)
- 就業者のうち女性は約1%(2016年2月時点、日本建設業連合会の調査・job tag)
- 建物の大型化・高層化、省エネ、防災、管理の自動化により、高度な電気設備に対応する技能が求められる(job tag)
job tag の調査回答の平均(1〜5。大きいほど頻度・程度が高い)。職業分類単位の値で、個々の職場の条件を示すものではありません。正規の職員・従業員の割合: 78%。
09キャリアの道筋
- 資格を取って入職職業訓練校・専門学校・電気工事業組合の養成施設で課程を修めて資格を取ってから入職するか、入社後に企業内の養成施設で訓練を受けて取得する(job tag)。
- 第一種へ第一種は試験合格に加えて実務経験3年以上で免状が交付される。自家用電気工作物(ビル・工場の受電設備まわりなど)の工事に関われる範囲が広がる。
- 職長大企業などでは15〜20年の経験を積むと、現場の責任者である職長として数人の部下を任される(job tag)。
- 別の道電気主任技術者などの資格を取ってビル管理技術者や電気工事管理者の仕事に転じる、または独立して電気工事業を営む場合もある(job tag)。
道筋は job tag の『就くには』『労働条件の特徴』の記述と資格制度をもとにした一般的な例で、個人の進み方を保証するものではありません。
10よくある質問
第二種と第一種の違いは何ですか
従事できる範囲が違います。電気工事士法では、一般用電気工作物等の電気工事は第一種・第二種のどちらでも、自家用電気工作物の電気工事は原則として第一種でなければできません。第一種は試験合格に加えて実務経験3年以上が免状交付の条件です。
資格なしで見習いとして働けますか
資格が必要な『作業』に従事できるのは電気工事士です。資格がない人が現場でどこまで補助できるかは、作業の内容と法令・勤務先の指示で決まるため、このサイトでは一般論として示さず、法令と事業者の確認を勧めます。