00この職業の位置づけ
- 職種のまとまり
- 技能職・機械
- 現場での役割
- つくる 手を動かして施工する
- 主に関わる部位
- 躯体、内装・仕上げ、屋根・外装・仮設
- 資格の位置づけ
- 技能の証明 資格は技能の証明で、取ると仕事の幅が広がる
- 入職の入口
- 入職に特別な学歴や資格は求められない。工務店に入職する、棟梁に弟子入りする、公共職業訓練校などで訓練を受けてから就職する、といった方法がある(job tag)。
01どんな仕事か
一般住宅、とりわけ木造住宅の新築や増改築の計画、構造施工の中核的な作業を行う。
大都市圏を中心に建物の高層化・不燃化が進み、鉄骨造・鉄筋コンクリート造など木造でない建築も増えているが、その内部には木質系の素材を使用する場合が多い。そうした内部設備の加工、組立て、取付けを行うことも多い。
仕事は、木工事を中心に、構造組み、造作加工などの作業の他に、建築計画を立て、建築主と相談しながら費用を見積り、工期を設定し、必要な資材や技能者を手配するなど工事請負人としての仕事や、建築現場で他職種の技能者を組織して、計画どおり工事が進むようにする工事管理の仕事など、広範囲にわたる。
住宅建築では、プラスチック系や金属系、窯業系など、木材系以外の建築資材が多用されている。それに合わせて、そうした建築資材の性質や、接着剤、接合金物類などの知識が求められる。また、ノコギリやノミ、カンナなど古くからある道具の他に、いろいろな電動工具・加工機具が使われるようになり、そうした工具・機具を使いこなすことも求められる。大工は工務店の経営者であることが多く、そうした場合には、工程・品質・原価など、工事を管理していくための知識や、人を指揮する能力も要求される。
出典: job tag(解説系データ ver.7.01、解説の最終更新年度 2019)
02よく行う作業(実施率の高い順)
- 材料を釘や接着剤で組み合わせ、構築物の基礎構造をつくる。98%
- 下げ振りと水準器を使用して構造物の位置確認をする。98%
- 窓や床材、飾り外装、建築金物といった構築物や備品を取り付けるために動力工具を操作する。98%
- 手動工具、機械、動力のこぎりを使用して、木材を指定された寸法に切る。96%
- 手動工具を使用して、構築物の損傷部品や不良部品を除去し、修理または交換する。96%
- 木製備品を製作したり修理するため、木工機械、工具を操作する。94%
- 建築現場でのほかの作業者との連絡調整や工事管理をする。94%
- 設計図、見取図、建築図を見て、資材と製造する構造物の寸法を決定する。91%
右の%は job tag の調査で『このタスクを行っている』と答えた人の割合(実施率)です。上位8件を表示。職場や担当により異なります。
03建物のどこに関わるか
大工が主に関わるのは、躯体、内装・仕上げ、屋根・外装・仮設です。
建物の断面詳細図を模した図で、色の付いた層が主な担当部位です。他の職種との境目は工事の種類や会社により異なります。
04必要な資格・講習・法令上の位置づけ
技能の証明 大工の作業そのものに業務独占の資格はない。規模の大きな木造住宅の設計・工事管理には二級建築士または木造建築士が必要(job tag)
足場の組立て等特別教育 技能講習・特別教育
- 実施
- 登録教習機関などが実施(都道府県労働局に登録)。日程・受講料・条件は各機関に確認
- 受験・受検資格
- 講習時間: 学科6時間(座学のみ)
- 受講資格: 厚生労働省 建設業ウェルカムのページに記載なし(FAQ「訓練の参加者は建設業未経験者がほとんど」)。年齢などの条件は教習機関に確認
- できること・位置づけ
- 足場の組立て・解体の業務に就ける。小型移動式クレーンと玉掛けの技能講習を加えると、足場材のクレーンでの積卸し作業にも携われる(建設業ウェルカム)
- 業務独占の有無
- 危険または有害な業務で省令が定めるものに労働者を就かせるときは、事業者が特別の教育を行う義務がある(労働安全衛生法 第59条第3項)
- 確認の程度
- 厚労省 建設業ウェルカム(修了資格の紹介) 公式ページで確認 労働安全衛生法・同施行令 公式ページで確認
フルハーネス型墜落制止用器具特別教育 技能講習・特別教育
- 実施
- 登録教習機関などが実施(都道府県労働局に登録)。日程・受講料・条件は各機関に確認
- 受験・受検資格
- 講習時間: 学科4.5時間・実技1.5時間(計6時間)
- 受講資格: 厚生労働省 建設業ウェルカムのページに記載なし(FAQ「訓練の参加者は建設業未経験者がほとんど」)。年齢などの条件は教習機関に確認
- できること・位置づけ
- 高さ2m以上の作業床を設けることが困難な場所での作業(手すりのない足場の最上段、急勾配の屋根など)に就ける(建設業ウェルカム)
- 業務独占の有無
- 特別教育の義務の枠組みは労働安全衛生法 第59条第3項。フルハーネスが対象となる業務を定める省令の本文は未取得
- 確認の程度
- 厚労省 建設業ウェルカム(修了資格の紹介) 公式ページで確認 労働安全衛生法・同施行令 公式ページで確認
建築大工の技能検定(1級・2級) 国家検定(技能検定)
- 実施
- 中央職業能力開発協会(制度)・都道府県の職業能力開発協会(受検申請)
- 受験・受検資格
- 実務経験のみの場合の年数は、2級が2年以上、1級が7年以上(厚生労働省の受検資格一覧表の全職種共通の値)。学歴・職業訓練歴で短縮される。この職種での扱いは都道府県の職業能力開発協会に確認
- できること・位置づけ
- 技能の証明。大工の作業そのものに業務独占の資格はない(job tag)
- 業務独占の有無
- 業務独占ではない
- 確認の程度
- 厚労省: 技能検定の受検資格一覧表 公式ページで確認 job tag 職業解説データ 公式ページで確認
一級建築士・二級建築士・木造建築士 国家資格(建築士法)
- 実施
- 一級: 国土交通大臣の免許(試験は建築技術教育普及センター)/二級・木造: 都道府県知事の免許
- 受験・受検資格
- 一級建築士の試験: 受験資格は指定科目を修めた大学・短大・高専・専修学校等の卒業、二級建築士・建築設備士など(入学年度で異なる)。免許登録時に実務経験を審査(令和2年以降の合格者)(建築技術教育普及センター)
- 一級建築士の免許(建築士法 第4条): 試験合格+指定科目を修めた大学卒業後の建築実務2年以上、短大等3年以上・4年以上、二級建築士としての実務4年以上など
- 二級建築士・木造建築士の免許(同条): 指定科目を修めた大学等の卒業、高校卒+建築実務2年以上、建築実務7年以上など
- できること・位置づけ
- 設計・工事監理ができる資格。大工の作業そのものに必要な資格ではない
- 業務独占の有無
- 一定規模以上の建築物の設計・工事監理は一級建築士でなければできない(建築士法 第3条。学校・病院等で延べ面積500㎡超、木造で高さ16m超または階数4以上、RC造等で延べ面積300㎡超・高さ16m超・階数4以上、延べ面積1,000㎡超かつ階数2以上など)
- 確認の程度
- 建築士法 公式ページで確認 建築技術教育普及センター: 一級建築士試験 公式ページで確認
労働安全衛生法の就業制限(政令で定める業務)
| 枠組み | 政令で定める業務は、免許を受けた者、登録を受けた者が行う技能講習の修了者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ就かせてはならない 労働安全衛生法 第61条第1項(2026-10-29 に e-Gov で確認) |
|---|---|
| 建設機械 | 機体重量3トン以上の別表第七の建設機械で、動力を用い不特定の場所に自走できるものの運転(道路上を走行させる運転を除く) 同法施行令 第20条第12号 |
| 移動式クレーン・玉掛け | つり上げ荷重1トン以上の移動式クレーンの運転、制限荷重またはつり上げ荷重1トン以上のクレーン等の玉掛け 同法施行令 第20条第7号・第16号 |
| 特別教育 | 危険または有害な業務で省令が定めるものに就かせるときは、特別の教育を行う義務がある 同法 第59条第3項 |
どの機械・業務にどの技能講習・特別教育が対応するかは労働安全衛生規則などの省令の定めです(本文は未取得)。
講習・特別教育の時間は厚生労働省の建設業ウェルカムの紹介ページ、就業制限の枠組みは労働安全衛生法・施行令の本文で確認した内容です。どの機械・業務にどの講習が対応するかを定める労働安全衛生規則と、受講資格・年齢の条件は本文を取得できていないため、受講前に登録教習機関または都道府県労働局で確認してください。 建築士の受験資格・免許要件は建築士法の本文と建築技術教育普及センターのページで確認した内容で、二級建築士・木造建築士の試験の受験資格は未取得です。
05働く環境
作業現場が移動することや屋外での作業が多い。現場が遠い場合、実働時間を確保するために往復時間の分だけ拘束時間が長くなることもある。屋外での作業は季節によっては日照の長短や天候の影響を受けやすい。
雇用形態は、「常用」で日給月給による雇用契約と、「手間請負」の契約がある。「常用」の労働時間は原則として8時間である。「手間請負」では、作業者との合意の上で早出や残業を行ったりする例もある。週休制を導入している場合が多く、お盆と年末、正月に休みとなるほか、特定の祝日を休む業者もある。天候の状況で雨天が休日になる場合や寒冷地・積雪地などでは冬季休業のケースもある。
job tag の調査回答の平均(1〜5。大きいほど頻度・程度が高い)。職業分類単位の値で、個々の職場の条件を示すものではありません。正規の職員・従業員の割合: 27%。
06キャリアの道筋
- 1弟子入り・工務店で見習いとして道具と墨付けを覚える
- 2造作・構造の一通りを任される
- 3棟梁へ。独立して工務店を経営する人もいる
job tag の記述をもとにした一般的な例です。
07よくある質問
伝統的な技術と現代の住宅建築のどちらが中心ですか
job tag は、ノコギリ・ノミ・カンナなど古くからの道具に加え電動工具が使われ、木材以外の建材の知識も求められる、と記しています。宮大工・町大工などの別名があるように、扱う建物の種類で仕事の中身は大きく異なります。